『わたし開花したわ』 パスピエ

 

このブログは、なんか人のレビューを見てるの楽しいなと思って作りました。

なので、最近聞いた曲とか、見た番組とかいろいろなことについて書こうかなと。

こんなん一番最初の記事で書けよと。ま、ご愛敬。

 

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最近ハマッテマス。パスピエ

もともと相対性理論が好きで、パスピエの存在も『演出家出演』を出したあたりから知っていたんですが、「ポスト相対性理論」という括りがとてつもなく嫌いで、避けていました。

なので、初聴は1年半前くらい。ミーハーです。

 

私が考えるパスピエの魅力を3つ挙げるとするならば

1.成田ハネダ(key.)の圧倒的メロディセンス

2.大胡田なつき(vo.)の特徴のある歌声と表現力

3.それぞれのパートのサウンドが作り出す曲ごとの世界観

に集約されるでしょう。もちろんまだ他にも魅力はありますが。

 

作曲を担当しているのは主に成田さんのようですが、すごくキャッチ―なメロディラインが多く、聞いてて純粋に楽しく感じる曲が多い。

しかし、その作曲方法は決してワンマンというわけではなく、リハーサルの際に個々のメンバーが行った演奏の良い部分を抽出していくというスタイルをとっていらっしゃるようです。その結果というべきか、それぞれの楽器がその曲の世界感を創出する上での最適解を出していると感じます。(ナタリーでのインタビューにて)

 

前置きが長いですが、さっそく彼らの1st ミニアルバムである『わたし開花したわ』という作品について触れます。

 

リリース年は2011年。2009年に結成した彼らの初めての全国流通盤アルバムです。

 

 

1.開花前線

 パスピエというバンドの「開花」を告げる曲。

 この時代のライブに行ったことがないので分かりませんが、タイトルから察するに、このアルバムのために書きおろした曲であると思われます。

イントロのドラムの入りとシンセの音が爽やか且つ非常に耳心地がよくて、一気にグッと胸をつかまれる感じがします。成田さんの曲作りは、曲の冒頭だけ聞いてもグッと引き込まれるようなものを作ることを意識されているそうです。これ以外の曲もそういったものが多いのが特徴ですかね。

 イントロからAメロに入るときに大胡田の声とシンセの余韻のみがが聞こえる瞬間とラストサビからアウトロに入る直前のドラムが好きです。

 

2.電波ジャック

 今作のキラーチューン。キラーチューンってどういう意味か分かってないですが、底抜けにキャッチ―で無条件にテンションが上がる曲に対して私は使ってます。

 この曲は、成田さんが歌詞の制作に関わっているらしい。パスピエ知能指数が足りてない私には、どこら辺が成田さんで、どこら辺が大胡田さんなのかはわかりません。

 とにかく死ぬほどキャッチ―です。ちゃっちゃかちゃっちゃかちゃっちゃかちゃっちゃっちゃーが繰り返され、いつまでも頭に残っています。狂った電子機器の感じというかエレクトロニックな感じがすごくかっこいいです。

 

3.あきの日

 好きです。ギターのリバーブの残響。ズンズンくるベース。可愛げのあるボーカル。いいですねぇ。特にギター好きです。三澤さんのソロのギュインギュイン感。サビのギターの切なさも好きです。

 何だろう、『地獄先生』を思い出しますね。相対性理論の。こっちのがもっとポップでロックな分、あっちの方が世界感全振りって感じですかね。私見。

 どっちもすきです。

 

4.チャイナタウン

 『あきの日』が幾分テンポの落ち着いた曲で、ベースの余韻で終わる分、この曲のイントロで、一気に揺り戻されます。グワッと。

 成田さんはYMOを意識されていたそうです。そこに中国っぽさを感じたのが大胡田さん。なんですかね、この中国っぽさ。Bメロからサビにかけての部分が好きです。AメロがダウンタウンでBメロが都市部へのハイウェイ、サビがチャイナシティだと思って聞いてます。タウン部分はAメロだけですね。私的な考え方だと。

 あ、あとベースがかっこいいです。

 

5.パピヨン

 イントロのディレイの効いたギターが幻想的な世界への入り口を開く。でもなんですかね、幻想的なんですけどポップ極まってるんですよね。基本どの曲もですが。シンセのキーの高いメロディーラインがそうさせるんですかね。なので、正直少し中途半端感を覚えてしまいます。せっかく歌詞も儚く切ない雰囲気を出しているのに、なんか切ない世界観を出しきれない感じ。ま、シンセとかは聞いていてすごく心地よくて好きですけどね。

 

6.真夜中のランデブー

 これは、ほんとに、えげつないすきです。結構キャッチ―な曲が好きなので、パスピエの曲はだいたいハートを打ち抜いてくるんですが、これはやばい。とにかく音の洪水って感じですかね。バックで聞こえるフルートとかブラスがすごく効果的です。二番のAメロの時計台の音っていうんですかね。それもいい。それぞれのバンドサウンドが割と好き勝手やってるイメージがあるんですが、それがスペシャリティを増しています。(別に好き勝手やってはないだろうけど、うまい表現が見つからない)

 個人的にフィナーレ感あるいはオープニング感(どっちやねん)のある曲だなーと思っていて、うちあげ花火と順番逆でもよかったかなとか思ってたり。

 

7.うちあげ花火

 うちあげ花火が上がったら 君の横顔照らして

 あたしだけひとり違う向きで 君を見ていた

 切ないですね。いい青春感です。シンセのキラキラした音やドラムの疾走感もその感情を盛り上げます。ただ、ギターの音作りはこんな感じでよかったんですかね。好きですけど。エキセントリックな音ですね。たぶん普通の青春ソングになるのが嫌だったんですかね。

 でもこの曲は割といい雰囲気のある曲だと思っています。好きです。

 

8.夕焼けは命の海

 これも雰囲気のあるいい曲だと思います。曲の序盤の夕暮れ、夕食どきと不思議なノスタルジアを思わせる歌詞とサウンドから、終盤は一気にガラッと変わり壮大なエンディングになります。

 展開が素敵ですね。このイントロの感じから静かにアルバムを締めくくるパターンかと思いきや。やっぱり最後の大サビは好きですね。

 

 

バンド紹介と曲紹介によって無駄に長くなってしまった。

『わたし開花したわ』はキャッチ―という言葉が多用されていたように、人の耳を捉えて離さない成田氏のメロディセンスがいかんなく発揮されている1stだと思います。

パスピエを知るうえで、入門として長さ的にもちょうどいいのではないかと感じる。

ただ、目に浮かぶ「色」がずっと一緒な感じがします。一辺倒で退屈に感じてしまう人も無きにしもあらずかなと。個人的な意見です。

 

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